密室の恋人

「君を好きになった僕が蒼汰に憑いたから、蒼汰は君を好きになったんじゃないのかなって、今、言ってたんだよ」

「そうですか。
 でも、そんなこと関係ないです」

 そう言うと、陸人は目を見張る。

「例え、蒼汰さんが私を好きじゃなくても関係ないです。

 私は蒼汰さんが好き。

 蒼汰さんが私を好きでも、そうじゃなくても。

 私は、蒼汰さん以外、誰も好きになんてなれません」

 その言葉を聞き、壁を背にした陸人はゆっくりと笑ってみせた。

「よく言ったね、凛子ちゃん」

 今、この場所で、と陸人は言う。

「ねえ、このエレベーター取り替えるんだってさ。

 そうだよね。
 此処のところ、止まったり、妙な動きをしたりの繰り返しだったもんね。

 もう古いし。

 でも、そうしたら、僕もこのまま此処に居られるかわからないよね」

 もう此処にも僕の居場所はない、と陸人は言った。

「蒼汰も僕を拒絶する。

 もう乗り移れないかもしれないね。

 ねえ、どうしようか。

 いっそ、あいつを祟り殺しちゃおうか」