密室の恋人




「蒼汰くん、わざわざなんの用事?

 そんな顔しちゃって。
 僕を成仏させようって言うの?」

 対峙した陸人は、余裕のある表情でそう訊いてくる。

「……陸人。
 お前はお前の人生をちゃんと生きてくれないか」

「嫌だよ。
 君らは簡単にそんなこと言ってくるけどさ。

 それって今までの全部を忘れるってことなんだよ。

 そんなことできない」

 そう言う陸人の気持ちも少しわかる気はした。

「だいたい、僕が成仏しちゃっていいの?」

 そんな謎めかした言い方を陸人はしてくる。

「君は、本当に凛子ちゃんが好きなのかな?」

「なに言って……」

「たぶん、僕の方が先に凛子ちゃんを好きになったんだよ。

 君に僕が憑いたから、君もつられて凛子ちゃんを好きになったんじゃないの?

 君、元々好きなの、ああいうタイプだったっけ?」

 そう言って、陸人は笑う。