密室の恋人

「でも、ずっと憑いてるわけでもないみたいなんですよ。

 やっぱり、基本はあのエレベーターなんじゃないでしょうか」

 凛子の表情が曇り、うつむきがちになる。

 その顔に触れ、上を向けさせた。

「ほら、また陸人に同情してる。

 だから、あいつ、いつまでも君たちから離れないんだよ。

 君も蒼汰くんもやさしいから」

「やさしいのは、上村さんもですよ。
 いつもありがとうございます。

 本当に感謝してます」
と凛子に微笑まれる。

 ああ、可愛い。

 なんでだろう。

 園田とは全然タイプが違うのに。

 あんなに長く園田を思ってきたのに。

 いや、浮気もしたけど。

 今は完全に凛子ちゃんに傾いてるなーと思っていた。

 そこで少し笑うと、凛子が、ん? という顔をする。

「いや、陸人って純粋だな、と思って」

「なんでですか?」

「あいつ、浮気しそうにないよね。
 人間って、毎日、生きて動いてたら、心も動くじゃない。

 あれだけ園田が好きだったのに、今は凛子ちゃんに夢中な僕みたいに」

 またまた〜、とまったく信じていないような凛子が、赤くなりつつ、距離をとった。

 また、からかわれていると思っているようだ。