密室の恋人

 呪っている最中に、閻魔大王みたいなのに、肩をつかまれ、引っ張っていかれる彼をリアルに想像し、思わず、笑ってしまった。

「面白いね、君」
と言うと、

「あんたの方が面白いよ」
と言われた。

「そうだ、ねえ。
 凛子ちゃんの方に、そっと憑いてみたら?」

 そう弥は提案する。

 なんで? と問う陸人に、
「男に憑いてても面白くないじゃない」
と言った。

「僕なら、蒼汰くんには憑かないよ。
 黙って、凛子ちゃんに憑いてるね。

 そしたら、凛子ちゃんも苦しむことないし。
 僕はずっと凛子ちゃんを見てられる」

「あんたの方がピュアだね」

 それ、なにか面白い? と言われた。
 
「僕が凛子ちゃんに憑いて、蒼汰に抱かれるの?
 意味わかんないんだけど」

「そういうことリアルに言わないでよ。
 想像したくないから」

「なにを?
 凛子ちゃんが蒼汰と居るところを?

 あんた、本当に凛子が好きなんだね」

「そうみたいだね。
 今、知ったよ」

 ありがとうっていうか、あんまり知りたくなかったけど、と告げる。