密室の恋人

「まあ、いいよ。
 蒼汰と結婚したら?」

「えっ?」

「あいつが寝ちゃえば、僕は君を自由にできるから」

 いやいやいや、と凛子は困ったような声を上げた。

「今日は随分気分的に盛り上がったようだね。

 僕もしばらく現れなかったら、寂しいって少しは君に思ってもらえるのかな」

 そんな殊勝なことを言ってくる。

 ちょっと真面目に考えてみた。

「……確かに寂しいかもしれません」

 そう言うと、彼は、自分で訊いておいて、えっ、という顔をする。

「寂しいと思うかもしれません。

 でも、私たちが寂しくなっても、私は貴方に成仏して、生まれ変わって欲しいです。

 そして、本当に貴方を愛してくれる人と一緒になって欲しいです」

「綺麗ごとだね」

 そう笑った陸人は、
「それと同じ台詞をあの上村とかいう男に言ってみたら?

 僕と同じで、逆にムカついて、強硬手段に出るかもよ」
と言ってくる。

「……ムカつきましたか。
 すみません」
と言うと、

「引っかかるのそこだけ……?」
と言ってきた。