蒼汰との電話を切り、トイレから出てきた侑斗は、テレビの前で振り返った凛子に、
「なにやってんの? 侑斗。
彼女から電話なら、帰っていいわよ」
と言われた。
「ああいや、もう……二十分くらい居るよ」
と答える。
そのくらいしたら、蒼汰が来るだろうと踏んでの発言だ。
こいつひとりにしとくと、いろいろと危険だからな。
あの、いつかの浮気相手の人とか。
遠目にしか見てないが、品が良くて感じがよかった。
年上みたいで、やさしそうだったし、イケメンだったし。
蒼汰が居ない今、あんな人にやさしくされたら、俺なら、ふらふらっと行くな、と何故か女性の気持ちになって、侑斗はそう思ってしまう。
そこで、凛子に一緒にお笑い番組を見ろと言われて、側に座らされる。
「そういや、にゃー、今、一人じゃないの?」
と凛子が自分を見上げてきた。
どきりとする。
こいつ、蒼汰さんと付き合い出してから、今までなかったような色気があるからな、と凛子に気づかれないように距離を置いた。



