密室の恋人





 いざなわれるまま、デッキに出た凛子は一瞬、言葉を失った。

 蒼汰に手を引かれ、船を降りる。

 桟橋を通って、砂浜に出た。

 誰も居ない。

 人っ子一人居ない。

 プライベートビーチだから?

 いや、そんな感じじゃなくて。

 他に人の気配がない!

 慌てて、後ろを振り返ると、蒼汰に、
「どうした?」
と言われる。

「サバイバルものだと、此処で船が流されて、本土に帰れなくなるからです」

 その言葉に、蒼汰は、
「察しがいいな」
と笑う。

「別におかしな格好してても、気にしなくていい。

 誰も居ない。

 見てるのは俺だけだ。

 此処はーー

 無人島だ」
と蒼汰は言った。