密室の恋人

 凛子!? と出たら、侑斗だった。

 今、凛子と居るという。

「おい、誰か電話かけてきてないか」
と言うと、侑斗は笑い、

『大丈夫。
 さっき、そっと凛子の携帯、電源切っといたから』
と言う。

「ナイスだ、侑斗。
 今から行くから」

 そう言うと、侑斗は何故か、
『そうか、助かる。
 実は、ちょっとやばかった』
と言い出す。

「なにがやばい?」
と訊くと、いやいやいや、と言う。

『俺、こっそり帰るからさ。
 俺が電話したの、内緒で現れてくれ』

 さっき、凛子にかけてやると言ってかけなかったのだと侑斗は言う。

『その方が凛子喜ぶから』

「いい奴だな、侑斗。
 感激したぞ。

 お前の店を買い占めてやろう」

『……それ、乗っ取りじゃねえのか?
 大丈夫か?』

 店ごと買い取られそうだ、と言う侑斗の声がやけに反響していた。