密室の恋人

「いや、これは凛子さまとお行きください。
 私は自力でなんとかします」

「いいよ。
 よく考えたら、あいつ、ドレスも買いに行ってないし」

 そっち連れてかなきゃな、と呟く。

 まあ、何処に行くのも危険か、と思った。

 陸人の奴、寝てなくても、こっちが気を抜いてたら、出てくるようになったから、手に負えない。

 たぶん、上村さんを恐れているのではないだろうか。

 あの人の猛プッシュすごいからな。

 しかも、それでいて、嫌味がない。

 凛子もいろいろあったのに、もう、上村さんったら、しょうがないですねーで、すましてしまっている。

 すますな!

 それ、他の男がやったら、犯罪だろ!? というのも結構あった気がするのだが……。

「やっぱ、行ってくる」

 不安に駆られ、蒼汰は立ち上がった。

 この隙に、上村さんが電話とかして来てそうだ、と思ったのだ。

 あの人の嗅覚すごいからな。

 自分が居ないことを察して、凛子の許に行きそうだ。

 そう思ったとき、携帯が鳴りながら震えた。