密室の恋人

「侑斗ー」
「なんだ」

「侑斗と結婚する人は幸せだね」

「俺の過去が気にならないならな」

 ああ、不愉快な話を思い出してしまった、と思いながら、ポットから吹き上がる湯気を見ていた。

「凛子。
 俺の過去なら気にならないんだったら、俺と結婚するか」

 そりゃ、侑斗が恋愛対象じゃないからだって、と思いながら、
「じゃあ、就職決めて、大学卒業したら、また言って」
とその軽口に付き合うと、

「就職はこのまま、親父のコンビニに決まってるだろ。
 大学は三月には卒業する」
と言ってくる。

「卒業してすぐ?
 結婚、早すぎだよ」

「なんでだ。
 俺は早く子供が欲しい。

 ……今から作るか」

「どっかで作ってきて。
 私、にゃーとその子を可愛がるから」

 三分くらいしたら、紅茶が出てきた。

「それにしても、蒼汰さんはなんで来ないんだ。
 訊いてみてやろうか?」
と言ってくれる。

「あんた、蒼汰さんの連絡先知ってるの?」
と言うと、

「この間聞いた」
と言う。