密室の恋人

「お前のことだから、くだらないことでグズグズ言ってんだろうな、と思っただけだよ。

 わかった。
 あとで、にゃー連れてってやるから」
と言ってくれたのだが、

「にゃー、今日はいいよ」
と凛子は小さく答える。

「なんでだ。
 にゃー、可愛いぞ」

「可愛いのはわかってるよ。

 でも、にゃー見ると、にゃー抱っこしてる蒼汰さん、可愛かったな、とかいろいろ思い出しちゃうから」

「……ぐだぐだだな」
と呟いた侑斗は、

「じゃあ、俺が特別にひとつ、スイーツを奢ってやる。

 あとで持ってってやるから、部屋で待ってろ」
と言ってきた。

「わかった。
 ありがとう」
と言い、凛子はその場にしゃがむ。

 まだトラベルセットを見ていると、
「どうした?」
と不安げに訊いてくる。

「いや、シャンプー変えようと思ったんだけど、こういうので、一回試してからと思って……」

「うつろな目で言うなよ。
 なんか怖ええよ」

 いいから、早く戻れ、と背中を押された。