密室の恋人

 そうだ。
 『あの事故』のあったときには、確かにこれがあった。

 だとするなら、自分が今、見ているものはなんなんだ?

「……お前」

 掠れた声で呼びかけた蒼汰に彼は言う。

「ねえ、蒼汰くん。
 凛子ちゃん、最近、一気にあいつと近づいた気がしない?」

 僕と協力しようよ、と鏡の中の彼は囁く。

「凛子ちゃんは、『僕たち』のものだ――」