十時過ぎ、出先で美味しい羊羹をもらってきた課長がみんなに配ってくれと持ってきたので、手の空いてる人たちで、切り分けて、お茶を淹れていた。
美晴ののろけから始まり、コンパの話になり、美晴がどのように成田さんに近づいたかを語り出した。
なるほど。
水面下では、みな、いろいろと計算して動いているものらしい、と凛子は感心する。
「前はそんな風に計算して動いたりするのって、のちのち付き合ってから、ボロが出るのに、どうするのかなあ、とか思ってたんですけど」
思わずそう呟くと、
「凛子。
あんた、喧嘩売ってんの……?」
と美晴に脅される。
「今は……可愛いなって思います」
そう言うと、先輩に、
「やだっ。
どうしたの、凛子が大人になってるっ。
伊月くんのせい!?」
と笑いながら言われた。
「でも、その計算の仕方とか、可愛い子ぶり方がよくわからないんですが」
ともらす。
そういうのがうまく出来たら、今朝みたいに衝突しないかもしれないし、上村さんのこともうまく交わせるかもしれないと思い、訊いてみた。



