密室の恋人

「私、最近、隣の課の成田さんといい感じなの。

 あの人、前、ほら、一緒に呑みに行ったとき、あんたのこといいって言ってたのよ」

 初耳だ……。

 こいつ、教えなかったな、と美晴を見る。

 こんなとき、女の友人というのは、実は敵なのかもしれないと思ってしまう。

「でも、あんた、伊月さんと結婚するって噂になってるから。

 それで、最近、私たち、急接近なの」
と嬉しそうだ。

 美晴は顔を近づけ、脅すように言う。

「今更別れて、話をややこしくしないでね」

「は……はい」

 迫力に負けて頷いた。

 私の幸せもちょっとは願ってくれ、と思いながら。