密室の恋人

「ご心配ありがとうございます。
 その手首の痕もですが、貴方がなにもしなけりゃいいだけの話ですよ」

「嫌だよ」
と言う彼の横に黙って座っていた。

 すると、彼もおとなしくしている。

「なにか文句言わないの?」
と訊いてくるので、

「今日は特に言うことないですよ」
と言うと、

「ねえ、凛子ちゃん、なにもしないから、此処で一緒に寝てよ」
と彼は言った。

「嫌です。
 上村さんより信用できません」

「やっぱり、エレベーター落としておけばよかった。

 あいつは乗っ取れないから、生かしておいても仕方ないし」

「そんなこと言ってると、本当に悪霊になっちゃいますよ」
と凛子は溜息をもらす。

「上村さんはもうエレベーター乗らないそうです。

 あの人も少々呑み過ぎですから、歩いてむしろ元気になりますよ」
と言うと、少し膨れているようだった。

 笑ってしまう。

 蒼汰が言うように、子供だな、と思った。

 ビュアかどうかは知らないが。