密室の恋人

 



 目を覚ましたとき、凛子は、自分が少し揺れている気がした。

 眩しいなーと白い天井を見ながら、目をしばたたく。

 カーテンは閉まっているのに、やけに日差しが強い。

 なんだろう。
 やっぱり、揺れてるような。

 地震?

 いや、もっとゆったりとして静かな感じ。

 二日酔い?

 って、こんなに気持ちよく揺れるか?

 そう思ったとき、

「おはよう」
と声が聞こえた。

 うーん? と横を見ると、ラフな格好の蒼汰がベッドに腰掛けていて、思わず、

「なんで居るんですか?」
と訊いてしまった。

「本当に面白いな、お前は」

 あれ?

 ……なんで、この人、此処に居るんだっけ?

 っていうか、なんで、私、此処に居るの?

 いや、そもそも、此処って、何処?
と少し身体を起こして、周囲を見渡す。

 豪華だが、船のキャビンのようだった。

 そうだ。
 昨日、船に乗って、ちょっと悪い酒を呑んで、蒼汰さんに、なんだかわからないけど、ぺらぺら喋って。

 そこまで考えたあとで、私、なんで、『蒼汰さん』って呼んでるんだろう、と思った。