密室の恋人

 なにかこう、弥を敵に回すのは怖い。

 やられてもやられても、笑いながら何処までも追いかけてくるゾンビみたいで。

 しつこそうだし、鬼気迫っているゾンビより、むしろ怖い。

『好きになりたくないんだよ』

 そう弥は言った。

 でも、それって、もう好きになってる証拠ですよ、上村さん。

 カップを三つ持って外に出ながら、蒼汰はそう思っていた。

「……いっそ、上村さんごと、車置いて帰ろうかな」
と呟くと、凛子が、

「は?」
と見上げてくる。