密室の恋人

 弥は腕を組み、凛子を少し見下ろすようにして言う。

「僕を尊敬してるとか聞きたくないよ。
 別に尊敬なんてしていらないから。

 だから、今夜は僕と此処に居て」

 そう懇願してくる。

「なんでですか」
と言うと、弥は首をひねって、

「……凛子ちゃんが好きだから?」
と疑問系で言ってきた。

「すみません。
 せめて、確信が持ててから、行動に出てくれませんか?」

 順序、おかしくないですか? と思っていた。

「上村さんは、千尋さんのことを吹っ切りたいから、私を利用しようとしてるんじゃないですか?」
と言うと、

「そうかもね」
とあっさり言う。

「それに、千尋さんが、上村さんは本気になると、手が出せなくなるって言ってましたよ」
と言うと、

「そうでもないよ」
と言う。

「あのときは、本当にすぐ園田に飽きただけ」

 最悪だよ、この人。