密室の恋人

「そうですよね。
 通り魔だって、なんだって、大きな女は怖いから避けるって言いますもんね。

 動物の本能として、上から見下ろされると嫌なんでしょうね」

 どうだ、とばかりに、ベッドに腰掛けている弥を見下ろすと笑う。

「本当に面白いね、凛子ちゃん。

 まあ、やってることに、あんまり意味はないけど」
と立ち上がり、凛子の頭を上から叩いた。

 うう。

 上村さんとはそんなに身長違わないと思ってたけど。

 こうやって、すぐ近くで立つと、結構違うな。

 蒼汰さんとだと、頭ひとつ違うから、もう完全に遠目でも違う感じなんだけど。

「凛子ちゃん、縮んで」
と頭を叩いてくる。

「すみませんね。
 大きくて」

「いや、格好よくていいんだけど。

 君、顔がすごく小さいから、大きく見えるんだよね。

 ああ、でも、いいか。
 あんまり身長変わらないと、キスしやすいから」
と言われて、飛んで逃げる。

 だが、先程からの発言を聞いていても、こんなときでも、弥は紳士的でないこともないな、と思っていた。

 今、自分を立たせたことといい。

 弥自身、自分でもどうしたいのかわかっていないのではないかと思った。