密室の恋人

「でも、今の上村さんはなんか……尊敬できないって言うか。

 千尋さんをどうしたいのかよくわからないし」

 弥はちょっと疲れたようにベッドに腰掛けて、凛子を見上げる。

「どうしたいとか、僕にもよくわからないよ。

 園田の話を聞いて、本当にわからなくなった……」

「え?」

「凛子ちゃん」
と弥が手をつかんでくる。

「今日、此処で僕と寝て」

「な、なんでですか」

「ちょっと確かめてみたいことがあるから」

「え、なにを?」

「園田が言ってたことを」

「なんだかわからないですけど、他の人と確かめてくれませんか?
 あの電車の人とか」

「いや、それは無理。
 凛子ちゃんじゃないとわからないんだよ」

 と、言われましても……。

 まだ電話ないのかな、と携帯を窺うと、弥はそれを取り、遠くに放った。

「あっ、なにするんですかっ。
 もうっ」
と取りに行こうとした足を弥の足でひっかけられた。

 綺麗にすっ転ぶ。