密室の恋人

「蒼汰があんなにも罪の意識に囚われてるのは、僕のせいだよ。

 僕、あんな風に自分が人を罵れなるなんて思ってなかったよ。

 あんな汚い言葉が口から飛び出すなんて。

 でも苦しかったんだ。

 苦しくて怖かったんだ……。

 パパもママも居ない。

 あんな狭い密室で、このまま死ぬんじゃないかって。

 蒼汰はいろいろ助けを呼ぼうとしてくれたけど出来なくて、ものすごくうろたえてた。

 でも、僕は、目の前に居る健康な彼を見て、散々罵ったんだ。

 僕が今、死んだら、なにも出来なかったお前のせいだ、役立たず! って」

 彼は俯き、黙り込む。

 彼は本来、やさしい人なのではないかと思う。

 自分が言うように、人を罵ることもなかったのではないだろうか。

 それは、いつも私に見せていたあの微笑みからも推測できる。

「貴方のせいじゃないですよ。
 そんな状態になったら、大人でもパニックになります」

 凛子はそっと彼の背中に手を置いた。

「僕の方が彼に詫びたいと思ってたんだ。

 あのときまでは……」

「あのとき?」

 彼の手がいきなり、凛子の腕をつかんで引き倒す。