密室の恋人

 胡座をかくと、にゃーを抱えなおして溜息をつく。

「お前にそう言われると、嘘だとわかってても逆らいづらいじゃないか」

「嘘だなんて。
 それも本当ですよ」
と言うと、

「も!?」
と訊き返してきたが、諦めたように言った。

「まあ、無茶だけはするなよ。
 って、聞かないんだろうがな。

 俺はお前の貞操が心配だ」

「……心配なの、それだけなんですか?」

「あいつはお前が気に入ってるんだろう。
 他に、おかしなことはしやしないさ」

 よし、と蒼汰は立ち上がる。

「何処行くんですか?」

「にゃーを返しに行くんだよ。
 俺が逃げないか心配なら、お前も来い」

「もう返しちゃうんですか?
 侑斗、まだ下に居るから、此処に居た方が、にゃーも安心なのに」
と見上げると、

「俺が寝た隙に、またお前がパジャマで侑斗のところに返しに行ったりしたらやだからな」
と言ったあとで、にゃーと凛子を見比べ、

「……ちょっと似てるな」
と言い、何処が!? と思っている凛子とにゃーに軽くキスして、にゃーを抱いて出ていく。

「あっ。
 ちょっと待ってくださいよっ。

 私も行きますっ」
と凛子は慌てて蒼汰を追いかけ、サンダルを引っかけた。