密室の恋人

 


「蒼汰さん、今日は帰らないでください」

 しばらくにゃーと遊んでいた蒼汰に、凛子自らそう進言すると、
「どうした」
と蒼汰は目を見張る。

「大丈夫ですよ。
 手錠はしますから」

 いや、しますからとか言うと、私がするみたいだけど、蒼汰さんにだけどね、と思った。

 すると、蒼汰は、
「帰る」
とにゃーを抱いたまま、出ていこうとする。

「なんでですかっ。
 いつも居座るのにっ」

 居座るってなんだ!? と睨みながら、蒼汰は思わず、足をつかんだ凛子を見下ろした。

「……また、なにか企んでそうだからだ」

「企んでませんってば。
 大丈夫ですよ〜」

 懐柔するように言う凛子を蒼汰は冷ややかに見下ろし、
「口調が怪しいキャッチセールスみたいだ。
 信用できん」
と言い出す。

「ほんとですってば。
 私はただ、蒼汰さんと居たいだけなんです」
と真剣に見つめると、蒼汰はそのまま胡散臭そうに見下ろしていたが、やがて、腰を下ろした。