密室の恋人

「あの映像。
 俺には見えないなにかがお前たちには見えたんだろう?」

「そうですね……。

 でも、すみません。
 今すぐには答えられません。

 時間をください」

 前の車のテールランプを見つめ、そう言うと、蒼汰は、わかった、と言った。

「でも、ちょっと安心しました」
と言うと、

「なにがだ?」
と問われる。

「蒼汰さん、上村さんのことで怒ってるのかと」

「怒ってるよ。
 っていうか、ムカついてる」

 ええっ。

「お前たちが俺のためになにかしてくれてるのはわかってる。
 でも、凛子を守るのは俺だ。

 上村さんじゃない」

 なんだ、そこにムカついてたのか。

 ちょっと可笑しくなって、笑ってしまった。

「笑うな」

「笑います」

「なんでだ」

「嬉しいからです」

 蒼汰の方を向いて、そう言うと、ちらとこちらを見た彼は、赤くなり、
「……莫迦か」
と言い、すぐに前を向いた。