密室の恋人





 麻友を送ったあと、帰りの車で、蒼汰が言った。

「おとなしいな、お前の友達」
「いや、普段はおとなしくはないんですけどね」

 蒼汰に家まで送ると言われ、拒否した麻友を駅まで送った。

 すっかり緊張していたらしい麻友は最後まで口数少なかった。

「このまま少し流すか」
と蒼汰は言う。

「大丈夫ですか?
 疲れてないですか?

 ご飯は?」

「食べてない。
 あとで侑斗のところで買って、お前の部屋で食べる」

「……もううちに来ること前提なんですね」

 今朝、遅刻寸前で慌てて出たから、部屋散らかってるかもな、と思う。

 蒼汰さんが下で買い物している間に、片付けようっと。

 そう思いながら、夜景を眺める。

 蒼汰と二人で居る空間は落ち着く。

 だが……。

 本当は二人じゃないんだよね、今。

 そう思いながら、ちらと蒼汰の横顔を見ると、
「なんだ?」
と言われた。