密室の恋人




 結局、近くの喫茶店で話しながら、蒼汰を待つことになった。

 こういうのを侑斗や弟に言うと、
「じゃあ、最初の店に戻ればいいだろ」
と言うのだが、いやいや、女子的には、違う店で違うものを飲みたいのだ。

 例えそれが、最初の店とたいして味の変わらぬ紅茶でも。

 少し話しただけで、すぐに蒼汰の車が見えた。

 外からでもわかったのか、ちょうど凛子たちが居る窓の下に蒼汰の車が着く。

 車から降り、蒼汰が手を振った。

 それを見て、麻友が叫ぶ。

「ええーっ!?
 めっちゃかっこよくない!?

 なに凛子っ。
 あんた、あんまり、彼氏探すのとか熱心じゃなかったくせに、なにこれっ。

 しかも、車すごくない!?

 そういえば、さっきの店でも、伊月さまとか言われてたねっ。

 なにっ?
 玉の輿なのっ!?」
と騒ぐ麻友に、

「あんただったら、手放しに喜べただろうにね。
 私は気が重いんたけど……」
と言うと、

「ああ、まあ、そうよね。
 いいお家の人と結婚すると、遺産相続で揉めたり、殺人事件が起こったり、ベランダから突き落とされたりするのよね」
と言い出す。

 うん。
 やっぱり私の友達だな、と思った。