密室の恋人

「まさか、結婚まで決まったとか?」

「……今月末に結婚するかも」

「なにそれーっ。
 招待しなさいよねーっ。

 あー、展開早すぎてついていけないーっ」
と騒ぐ麻友の言葉を聞きながら、いや、私もね、と思っていた。

「まだ付き合い出したばかりなのよね?

 それで、もう結婚?
 妊娠でもした?」

「いや、付き合い出したばっかりで、どうやって妊娠がわかるのよ。
 ものすごい勢いで流されてってるだけよ」
と言うと、麻友は椅子に背を預け、

「いいなあ」
と言う。

「私も好きな人にものすごい勢いで流されたい」

 そりゃあ、最初から好きな人ならいいだろうけどな、と思った。

 好きだという自覚もないまま、あの勢いで流されたら、相手がどんな男前でも結構引くから。

「ね、衣装決めたの? 写真見せて。

 あっ、待って。
 やっぱ、当日の楽しみにしたいから。

 ねえ、みんなには言った?」
と、そこから一気に質問攻めに遭う。