警備員室に戻り、また余計なことを言う弥と三人で映像を確認した。
問題の箇所は蒼汰には見せなかった。
森田に礼を言い、警備員室を出る。
階段の途中で、じゃあ、とそれぞれ別れたが、凛子は急いで取って返すと、まだ廊下を歩いていた弥の首根っこを掴んで引き戻した。
「うわっ。
なにっ、凛子ちゃんっ」
「上村さん、まだ時間、いけますか?」
「えー?
ああ、まあ、もうちょっとなら」
と言う弥を、すぐすみますから、と言い、警備員室に引きずり戻す。
「森田さん、すみません」
と声をかけると、
「あれ? また戻ってきた」
と森田は笑う。
「あの、もう一度、この映像見せてください」
と自分が持っていたUSBメモリを見せる。
「それから、あの、私たちが戻ってきたこと、蒼汰さんには内緒にしてください」
と言うと、わかったわかった、と言い、それ以上、なにも訊かずに、奥の部屋を貸してくれた。
森田もなにか感じるところがあるのかもしれないと思った。



