密室の恋人

「上村さん、あと少しで出られるそうです。
 蒼汰さん、まだ時間大丈夫ですか?」
と訊くと、渋い顔をした。

「急ぎますよね。
 ちょっと私、上村さんの様子を見てきます」

 そう言うと、
「俺が行く」
と蒼汰は出て行った。

 予想通りだ。

 凛子はひとり、奥の部屋に戻り、パソコンを操作する。

 映像を止め、コマ送りで確認した。

 あの映像がブレている箇所に、一瞬、映っているものがあった気がしたのだ。

 画面をその場面で止めてみる。

 それは蛍光灯が瞬いた瞬間だった。

 エレベーターの内部が、明るくなったり暗くなったりする。

 薄く明るくなったそのとき、そこにそれは居た。

 そうだ。
 上村さんは最初から正解を言っていた。

 凛子は立ち上がり、
「ちょっと出てきます」
と森田に言った。

 少し迷って、エレベーターに乗る。