凛子は総務なので、警備員室には、ときどき物を取りに来る。
だが、中まで入ったことはあまりなかった。
凛子が辺りを見回し、
「こう、奥に、わーっとモニターとかがたくさんあるのかと思ってました」
と言うと、顔馴染みの守衛の森田も蒼汰も、……はは、と笑う。
「それ、ドラマの見過ぎ。
うち、美術館とかじゃないから」
と森田に言われた。
モニターの前に座らされ、
「時間指定して、ピンポイントで再生できるから」
と機械の操作を教えてもらう。
「そのUSBメモリ、もういらない奴だから、それに落として、あっちでゆっくり見てもいいよ」
と奥の座敷を指差された。
「ありがとうございます」
と蒼汰と二人、礼を言うと、いやいや、と森田は笑っている。
森田は、なんだか微笑ましげだった。
なんだろうな、と思いながら、再生する。
弥と自分が乗る前の辺りからの映像のデータをUSBメモリに落とした。
「よしっと」
と引き抜き、振り向くと、後ろに立っている蒼汰は何故か目を閉じていた。



