今までだったら、蒼汰が居るとき以外はなんとも思わなかったその行為に緊張する。
階が上がっていくにつれて、人が少なくなっていく。
最後には、凛子と弥だけになった。
「凛子ちゃん、怪我治った?」
夢の中で、彼が居る階数ボタンの前を見ていると、弥がそう訊いてくる。
「ああ、はい」
と言ったとき、弥が凛子の手を取った。
「ごめんね、ほんとに。
今度から気をつけるよ」
「気をつけるよって、電車の中で女の子を引っかけるのはやめるとかその程度の気をつけ方ですよね、きっと」
「そりゃそうだね」
と弥は笑っている。
「ところで、そろそろ手を離してくれませんか?」
まだ手をつかんだままの弥に言うと、笑顔のまま、
「やだ」
と言う。
やだじゃないだろ、と思ったとき、蛍光灯が瞬いた。
えっ? と見上げた瞬間、エレベーターの中が真っ暗になり、がくん、と大きくエレベーターが動いて止まる。
「きゃっ」
よろめいて座り込んだ凛子を、暗いのに、迷わず、弥がかばうように抱きしめる。
階が上がっていくにつれて、人が少なくなっていく。
最後には、凛子と弥だけになった。
「凛子ちゃん、怪我治った?」
夢の中で、彼が居る階数ボタンの前を見ていると、弥がそう訊いてくる。
「ああ、はい」
と言ったとき、弥が凛子の手を取った。
「ごめんね、ほんとに。
今度から気をつけるよ」
「気をつけるよって、電車の中で女の子を引っかけるのはやめるとかその程度の気をつけ方ですよね、きっと」
「そりゃそうだね」
と弥は笑っている。
「ところで、そろそろ手を離してくれませんか?」
まだ手をつかんだままの弥に言うと、笑顔のまま、
「やだ」
と言う。
やだじゃないだろ、と思ったとき、蛍光灯が瞬いた。
えっ? と見上げた瞬間、エレベーターの中が真っ暗になり、がくん、と大きくエレベーターが動いて止まる。
「きゃっ」
よろめいて座り込んだ凛子を、暗いのに、迷わず、弥がかばうように抱きしめる。



