密室の恋人

 そういえば、あの霊の人が現れたとき、にゃーも居たんだっけ。

 ……大爆睡してやがったけど。

 夜行性じゃないのか、あの猫は。

「買い物済んだら、部屋に戻ってろ。
 にゃー連れてってやるから」
と侑斗が言う。

 はーい、と侑斗に続いてコンビニに入りながら思った。

 猫は霊に敏感だって言うのに、なんで、あの人には反応しなかったんだろう。

 悪いものじゃないからとか?

 自分で悪霊って言うけど、そんなに悪い人とも思えないんだけど。

 いや、思いたくないと言った方が正しいか。

 僕の身体は蒼汰が殺した、か……。

 凛子は振り向き、そこからでも見える会社のビルを見上げる。

 そういえば、これを見たくないと言ったら、無人島に連れてかれたんだったな、と思い出した。

 今となっては、いい思い出だが、あのときは、この人、どうなんだと思ったな、とほんの数日前のことなのに、懐かしく思い出す。

 そして、やっぱり、寂しくなった。

 蒼汰さんが居ない夜。