密室の恋人

 



 夕方、今日はさすがに家に帰ると蒼汰が言うので、凛子はコンビニに買い物をしに寄った。

 またもゴミを片付けていた侑斗が、よう、と言ってくる。

「今日は蒼汰さんはどうした」

「たまには来ない日もあるわよ」
と言うと、

「そりゃその方がいい」
と頷く。

「なに急に」

「いや、毎晩、蒼汰さんを連れ回してると、お前が蒼汰さんの母親によく思われないだろうからな」

「あら、心配してくれるの? ありがとう」

「そういえば、この間の浮気相手はどうした」

 弥のことだろう。

「だーかーらー、浮気じゃないってば。
 いろいろと事情があるのよ」

「とか言って、お前は変なところで人がいいからな。
 気をつけろよ」
と言って、ゴミ袋を手に中に戻りかけて、またやってくる。

 なに? と問うと、
「今夜はひとりで寂しいだろうから。
 にゃーを貸してやろうか」
と言う。

「そんなこと……

 やっぱ、貸して」

 ひとりで寂しいとかより、ただ、にゃーと遊びたかった。

 猫好きの蒼汰さんも居たら、喜んだろうにな、とちょっと思う。