密室の恋人

 蒼汰の秘密を話して歩くことになってしまうからだ。

 困ったなー、と思いながら、凛子はいつの間にか、子供向け番組の歌を一緒に口づさんでいた。

 和むからだ。

 蒼汰がこちらを見て、少し笑った。

「結婚式のことだが、この間から、いろいろあって言うの忘れてたが、前言ってたレストランに一応、話は通しておいたから」

「あ、はい」

「それと、お前のご両親に挨拶しないとな」

「えー」
と言うと、

「なんだ。
 嫌なのか」
と言ってくる。

「そうじゃなくて。
 うちの親、蒼汰さん見たら、はしゃぎそうな気がするんですよ。

 恥ずかしいからちょっと」
と言うと、

「お前の親なら、俺の親だろ。
 なにも恥ずかしいことなんかないだろ」
と言う。

 いやもう、照れるな、この人、なんか……。

 蒼汰さんを好きだと気づく前は、強引だなあ、と思っていたことが、今は、照れてしまうくらい嬉しかったりする。

 人の気持ちって不思議だな、と思っていた。

 そんなことを考えると、つい、千尋と弥のことが頭をよぎるが、蒼汰が言うように、自分たちにはどうにもしてやれないことなので、頭の中から追い払うようにした。