密室の恋人

「言わなかったっけ?
 僕は蒼汰に殺されたんだって」

「本気で言ってるんですか?」

「君こそ、本気で調べたの?」
と蒼汰の顔で彼は笑う。

 蒼汰には似合わない笑みだった。

 凛子は側まで行き、彼の居るベッドに腰掛ける。

「どうしたの、急に。
 危ないよ」

 危ないよ、と彼は自分で言った。

 だが、構わず、凛子は彼を見上げて言った。

「今、貴方が笑ったとき、蒼汰さんの顔でそんな表情して欲しくないな、と思いました。

 それと同時に思ったんです。

 貴方にもそんな顔して欲しくないって」

 彼は黙る。

 しばらくシーツの上を見つめたあとで言った。

「君が悪いんだよ。
 僕はただ、ずっとあそこにしゃがんでいただけなのに」

 えっ?

「僕を揺り起こしたのは、蒼汰じゃない。
 君だよ。

 僕は今更、カミサマもなにも信じたりしない。
 でも……」

 でも? とその顔を見たが、いや、と彼は笑う。