密室の恋人

 


 たどり着いた千尋の家は、可愛い、いまどきの洋風な家だった。

 こじんまりとした庭丁寧に手入れされている。

 いい家だな、と思った。

 此処に暮らす家族の暖かさがわかるような、そんな家だ。

 そして、弥にもそれが伝わっているだろう。

 そう思うと、他人事ながら胸が痛くなる。

 庭先に立つ弥は携帯でメールを打っていた。

 それから、宅配ボックスにプレゼントを入れる。

「園田には此処に入れておくって送っておいたから。

 帰ろうか、凛子ちゃん。

 ありがとうね。
 付き合ってくれて」

「いえ」

「ああ、そうだ。

 凛子ちゃんとカレー食べに来たついでに寄っただけだからって入れておいたから、話合わせておいてね」

 千尋に気を使わせないためだろう。

 はい、と言うと、
「ねえ、蒼汰くんはまだ大丈夫?
 ギリギリオーダーストップに間に合いそうだから、カレー奢ってあげようか」
と言ってくる。

「いえ、そんな……」
と言いかけたが、確かに小腹が空いていた。

 結構食べて呑んだ気がしたのだが、呑む方が多かったのだろう。