密室の恋人

「うーん。
 そうなんですかね?」

 好みでないから。

 ということもないか。

 もし、蒼汰と付き合ってなかったら。

 あのエレベーターの人を好きになってなかったら。

 どうだったんだろうな、と考える。

「うーん。
 わかりません。

 あれ?
 上村さん、携帯光ってますよ」

 弥はそれを確認し、
「……宣伝」
とつまらなさそうに呟く。

 こちらもまた、携帯を確認しているのに気がつくと、弥は、
「蒼汰くんから連絡入った?」
と訊いてくる。

「いえ、まだでした」

 よし、と弥は立ち上がり、
「じゃあ、僕、園田の家まで届けようかな」
と言い出した。

「えっ?」

「確か、あの家、宅配ボックスがあったから」

「ま、待ってくださいよ。
 ご主人と顔合わせちゃったりしませんか?」

「出張だって言ってたじゃない」

「いきなり帰って来たりしませんかね?」

 するかもねー、と少し寂しげに言いながら、弥は凛子の側にあったプレゼントの袋を取る。