密室の恋人

「今日は俺は無理だな。
 お前は行くのか?」

「はい。
 七時からですが、無理ですか?」

 蒼汰は渋い顔をする。

「うん、まあ……気をつけて行ってこい」

「なにか、行かない方がいい感じですね」
と言うと、

「心配だから」
と言う。

 それでも行くなと言わないのは、それが束縛につながるとおもっているからだろう。

「あの、千尋さん主催なんで、行かないわけにはいかないんですけど」

 たまには、千尋とゆっくり話したくもあるし。

「でも、早く帰りますから」

「わか……」
と微笑んで蒼汰が言いかけたとき、弥が現れた。

 今日はうどんと炊き込みご飯のおむすびをトレーに載せている。

「大丈夫だよ、蒼汰くん。
 僕が凛子ちゃんを送ってあげるから」

「……凛子、行くな」

「あっ、なに、その反応」

 僕ほど安全な相手も居ないと思うけど、と弥は訴える。

「凛子、携帯を離すなよ」

「もう~、ほんと人聞き悪いんだから」
と言いながら、弥は友達の居るテーブルに歩いていった。