密室の恋人

 そのまま、ずっと目を閉じておきたい気がした。

「ところで、これはなんだ、凛子」
と蒼汰は、ようやく気づいたように、ピンクの小さな箱の入ったコンビニのビニール袋を引っ張る。

「コラーゲンです」

「コラーゲン?」

「侑斗が、花嫁より、姑さんの方が綺麗とか駄目だろうってくれたんです」
と言うと、蒼汰は、

「そんなもの飲んでも、顔立ちは変わらないだろう」
と身もふたもないことを言い出す。

「じゃあ、飲みませんっ。
 蒼汰さん、飲んでくださいっ」

 拗ねてそう言うと、
「莫迦か。
 俺が飲んでどうする」
と言ったあとで、

「……心配しなくても、お前の方が綺麗だ」
と言ってきた。

「ま、また、心にもないことを」
と言いながらも、赤くなる。

 だが、
「少なくとも俺にはそう見える」
と言ってきたので、嬉しい反面、

「え、それ、他の人的には、どうなんですか!?」
とつい引っかかって訊いてしまう。

「大丈夫だ。
 他の人から見てもそうだろう」

 何処まで本気かわからないが、大真面目な顔で蒼汰はそう言ってきた。