密室の恋人

 




 夕方、仕事終わりに、凛子はコンビニを覗こうとした。

 侑斗に礼を言うためだ。

 すると、程良く侑斗が出てきた。

 大きなゴミ袋を幾つか手にしている。

 そういえば、自分が帰ってくるこのくらいの時間に、外に出て、ゴミ整理していることが多い。

 だから、よく出会うんだな、と気づいた。

「侑斗、昨夜は、にゃーをありがとう」
と言うと、すぐ側に立つ侑斗は上からこちらを見、

「蒼汰からは守ってくれなかったみたいだけどな」
と胸許を指差した。

 侑斗の位置からもやはり、見えるようだった。

 弥に言われたので、背の高い人間にはあまり近づかないようにしていたのだが。

 まあ、自分がぼちぼち大きい方なので、部長なんかは小柄だから、警戒しなくても大丈夫そうだったが。

「もう今日は家から出ないのか?」

「わかんないけど」
と言うと、侑斗は、ちょっと待ってろ、と言い、中に入っていく。

 商品をひとつ取り、レジに行ってから戻ってきた。

「ほら」
とファンデーション入りの日焼け止めを投げてくる。

「これ、わりと自然な色合いだから、ちょっと濃いめに塗っとけ」

 消えるかは知らないが、と言う。

「ありがとう」
と言うと、

「本当に手間のかかるお姉さんだからな」
と侑斗は言った。