密室の恋人

「そういえば、上村さん。
 昨日は、凛子を連れ回してくれたんですよね」
と攻撃されたせいか、反撃して蒼汰が言う。

「うん。
 凛子ちゃんが余計な情報ばかり仕入れてきて、僕の傷口に塩を塗りまくるから」

「……凛子、俺が文句言えなくなったじゃないか」

「ええっ?
 私のせいですかっ?」
と揉めていると、弥は笑った。

「君達見てるとほんと和むよ。

 じゃあ、またあとで。
 早く行かないと、遅刻だよ。

 いや、もう遅刻だけどさ」
と手を振って行きかけ、弥は器用にも、凛子にだけ聞こえる小声で言ってきた。

「ちょっと話があるから、昼休み、蒼汰くんを撒いて屋上に来てね」

 は?
と振り返ったが、弥は手を挙げ、じゃあねーと裏のなさそうなありそうな笑顔で去って行った。

「和むよって、あの人が俺たち引っ掻き回してる気がするんだが」

「そうですよね……」

 よく考えたら、エレベーターの霊の情報を与えてくれたのもあの人だ。

「上村さんって、実はすべての糸を引いている悪役だった仲間って感じですよね」
と言うと、

「いや……悪い人じゃないけど、今も仲間ってほど味方してくれてない気がするんだが」

 ……うん、まあ、確かに。
 そうですよね、と思った。