凛子は黙って泣いている。
しばらく、そのまま抱いていたが、ふと視線を落として気づいた。
凛子の開いたパジャマの胸許に誰かが口づけたような痕があるのを。
まるで、以前、自分がつけたそれを消すかのように。
「凛子、これ、どうしたんだ?」
「それは、蒼汰さんがつけたんです」
「え? 俺が?」
昨夜は酔っていたわけでもないのに、そんな記憶はないが、と思っていると、
「もうひとりの蒼汰さんがつけたの。
あの人は――」
そう言いかけた凛子は何故か言葉を呑み込んだ。
「もしかして、またあの、俺の横に居る俺の顔をしてるとかいう奴か」
島でもあいつが自分の身体を乗っ取ったと凛子が言っていた。
「あいつ、一体、なんなんだ?」
凛子は物言いたげな目で自分を見上げている。
「なんだ?
言いたいことがあるのなら、はっきり言え」
すると、凛子はかなり言葉を選んでいるような感じに口を開いた。
「あの人は、蒼汰さんに憑いてる悪霊だそうです」
「悪霊?
なんで俺に悪霊なんかが憑いてるんだ」
しばらく、そのまま抱いていたが、ふと視線を落として気づいた。
凛子の開いたパジャマの胸許に誰かが口づけたような痕があるのを。
まるで、以前、自分がつけたそれを消すかのように。
「凛子、これ、どうしたんだ?」
「それは、蒼汰さんがつけたんです」
「え? 俺が?」
昨夜は酔っていたわけでもないのに、そんな記憶はないが、と思っていると、
「もうひとりの蒼汰さんがつけたの。
あの人は――」
そう言いかけた凛子は何故か言葉を呑み込んだ。
「もしかして、またあの、俺の横に居る俺の顔をしてるとかいう奴か」
島でもあいつが自分の身体を乗っ取ったと凛子が言っていた。
「あいつ、一体、なんなんだ?」
凛子は物言いたげな目で自分を見上げている。
「なんだ?
言いたいことがあるのなら、はっきり言え」
すると、凛子はかなり言葉を選んでいるような感じに口を開いた。
「あの人は、蒼汰さんに憑いてる悪霊だそうです」
「悪霊?
なんで俺に悪霊なんかが憑いてるんだ」



