密室の恋人

  




 凛子は目を覚ました。

 暑くもないのにかなり寝汗を掻いていた。

 そして、ぎくりとする。

 暗闇の中、蒼汰が目を開けてこちらを見ていたからだ。

「ね……」

 寝てなかったんですか? と訊こうとした言葉が出なかった。

 なにか違和感を感じたからだ。

 にゃーはいつの間にか、蒼汰の向こうに移動し、すやすやと眠っている。

 猫、夜行性じゃないのか、と思ったとき、蒼汰の手が頬に触れた。

 なにか言いたかったが、なにを言っていいのかわからない。

 そのまま、蒼汰が口づけてくる。

 凛子は押し返し、
「なにもしないって言ったじゃないですか」
と言うと、蒼汰は自分を見つめ、

「僕は約束してないよ」
と言う。

 え――。