密室の恋人

 




「あのー、せめて違うベッドで寝ませんか?
 家族のベッドもあるし。

 同じ部屋がいいなら、私がソファで寝ますよ」

 眠るための身支度も戸締りも済ませ、凛子はベッドに入っていた。

 何故か、ちゃっかり蒼汰も同じベッドに居る。

「それは暗に俺にソファで寝ろと言ってるわけだな?

 このベッドセミダブルじゃないか。
 俺は寝相は悪くないぞ」

「それは知ってますよ」

 考えてみれば、他のどんな男の人より、蒼汰のことを知っている。

「にゃーを真ん中に挟むと、子供連れて寝てるみたいだな」
と蒼汰が笑う。

 そうですね、と小さく欠伸をすると、蒼汰は、
「もう眠いのか」
と訊いてきた。

「なんか蒼汰さんと居ると、眠くなるんですよ」

「それは俺と居ると、安心するからだろう?」

 あの嵐の夜のことを思い出していた。

 確かにそうかもれしない、と眠い頭で思った。

「俺もお前と居ると眠くなるな」

 肝心なことができなくて困る、という蒼汰に、
「なにもしないって言ったじゃないですか」
と言いながらも、眠気に目を閉じる。