密室の恋人





「あのー、本気で泊まる気ですか」

 再び、にゃーを抱いている蒼汰に凛子は訊いた。

「泊まる。
 心配するな。

 お前が嫌なら、なにもしない」

「ほんとですか?」

「この間だって、するなと言われたら、しなかっただろ?

 だからしない。
 大丈夫だ。

 俺には実績がある。

 なあ、にゃー」
とにゃーに話しかけている。

「なにか悪い業者に捕まってる気分なんですが」

 最初油断させて、ぼったくるみたいな。

「だが、お前が嫌でないなら、する。
 心配するな」

「そんな宣言されたら、余計、心配しますよね、普通。

 ところで、ご飯は食べたんですか?」

「侑斗が賞味期限切れ寸前の弁当をくれた」

「食べたんですか、それ。
 槙村さんに怒られませんか?」

 頭の中では、勝手に槍を持ったご家老になっている槙村を思い浮かべる。

「……言わなきゃ大丈夫だろ」
と蒼汰は、悪さをした子供のようなことを言う。

 結局、蒼汰は凛子のマンションに居座り、にゃーと三人で寝ることになった。