密室の恋人

 っていうか、もう一緒に乗ってくれないのなら、どのみち見られないではないかと思う。

 あー……。
 私の癒しの笑顔が、と思ったとき、蒼汰が、

「そういえば、お前、なんであのとき此処に居たんだ?」
と訊いてくる。

「それがすべての始まりでしたね。

 人が道を誤るときって、あんなものなんでしょうね……」

 あのとき、もう一杯飲みたいと思って、此処に来なければ、今、こんなことにはなっていない。

 そう思ったが、蒼汰は、
「関係ないだろ」
と言う。

「そうなるべくしてなったんだ。
 俺は別にお前がたまたま此処に居たから、お前と結婚しようと思ったわけじゃない。

 あのとき居たのが、他の女なら、そんなこと言わないし。

 たまたま、あのタイミングで告白しただけのことじゃないか」

 えっ?
 あれ、告白だったのか?

 そういうロマンティックなものとは程遠い感じだったが、と思った。

「まあ、どのみち、お前は俺と結婚する運命だったんだよ」

「あの……ちょっと譲って欲しいんですけど、その自信」

 そうか? と言った蒼汰は、
「でも、お前、俺のこと好きだろう」
と言う。