密室の恋人

「静電気とか?
 上村さんから、なにか磁気が出てるとか」
と言うと、弥は笑い、

「じゃあ、肩揉んであげようか」
と言い、両肩に手を乗せてくる。

「ん。
 そういえば、あったまって気持ちいい気がします!」
と言ったが、

「それはただの体温の効果」
と笑われた。

 弥は当たりが柔らかく、いやらしさが全くないので、こういう感じに女子社員に極自然にスキンシップをとることが多いが、誰にも嫌がられない。

 下心がないからだろうかな、と思う。

「しかし、面白いね、凛子ちゃんは。

 普通の女の子は、こういう話すると、やだ、それ。霊現象じゃないですか、とか言うのに」

 弥は、意外に女の子の口真似が上手い。

 リアルに居そうな女子の喋り方だった。

「霊が見えるのに、そういう発想が出ないの、不思議だね」

 ん? と思った。

「え。
 霊が見えるって」

「いつも見えてるんでしょ。
 伊月くんの側に。

 君、人とは違うとこ見てるからすぐわかったよ」