密室の恋人

「園田はオッケーしてくれたんだけど。

 待ち合わせの場所に四時間居たけど、結局、園田は来なかった」

「四時間?」

「携帯にも出なかったから、おかしいなと思ってたんだけどさ。

 ちょうど、待ち合わせの時間、少し前に、おばあちゃんが亡くなったんだって、夜遅くに電話があったよ。

 園田はおばあちゃんっ子だったし、いきなりだったみたいで」

「……で?」

「それで終わり」

「待ってくださいよ。
 他の日に、とかなかったんですか?」

「いやあ、なんでだろ。
 ちょっと覚悟決めてたから、二度告白する勇気がなかったというか。

 今、おばあちゃん亡くして落ち込んでるんだろうなあ、とか思って、また出かけようって言う園田に、いいよいいよって気を使って言ってるうちに、園田は今の旦那と付き合うようになって」

 結婚しちゃった、と弥は言う。

 凛子の顔を見、
「なんで、君の方が渋い顔してんの」
と笑う。

「いや……あの、たまたま間が悪かっただけですよね?」

 何処かでどうにかならなかったのだろうか、と思ったのだ。

 上村さんはまだ、千尋さんを好きなのに。