密室の恋人

 それにしても、二泊三日って、よくわかったな、と思った。

 上村さんは、なにもかもお見通しみたいなところがあって、ちょっと怖い。

 千尋さんもそういうところが苦手だったり……

 しそうにないな、あの人。

 ざっくりした人だから、と思ったとき、弥が

「うまくいかないもなにも、付き合ってもないから」
と言った。

「えっ。
 そうなんですか?」

 それも意外だ。

 弥なら、つるつるっと上手くデートくらい誘えそうなのに。

 そういうものでもないのかな、と思っていると、手すりに頬杖をついた弥が街の方を見ながら言った。

「なにかこう、気軽に話せる関係を変えたくなかったって言うか。

 憎まれ口ばかり叩いてる方が気楽だったっていうか。

 ちょうど、ちょっと前の君と伊月くんみたいにさ。

 でも、同期の連中が、大学時代からの彼女と結婚したり、同期内で付き合いだしたりするようになって、少しは焦ったんで、一度だけ誘ってみたんだ、クリスマスの日に」

「えっ、いいじゃないですか!」
と既に終わっている話なのに、何故か手に汗握って聞いてしまう。

 クリスマスに弥と出かけたら、素敵なデートが出来そうなのに、と思ったのだ。