「…さっきのアイツ、なんなわけ?」


「...え、なにって…」


なんなわけって言われても…..。


….どう答えればいいんだろ?


「えっと、黒咲くんはさっき重そうなプリントを運んでたから、手伝ってて…」



色々省略しちゃったけど、嘘は言ってないよね…?


「アイツになにかされたの?」

「…な、なにかって別に何もされてないけど…」


そう言うと、龍樹は私の手を引いて壁に押し付けた。


「きゃっ…」


…な、なに、この状況。


「りゅ、龍樹….?」

「他の男になんか笑いかけてんじゃねぇよ。……俺以外のやつ見んな」


え、そ、それってもしかして….ヤキモチ?


…..でも、そんなわけないか。


龍樹は私のことを好きじゃないと思うし。